11/6のアドバンスド講習の個別レポートをお送りします。
アドバンスド講習は「SHIFT UPカルテ」と題して、
受講して頂いた方ごとに振り返り用のレッスンレポートをお送りしています。
ご自身のカテゴリを遡って成長履歴を見るもよし、
次回の走行の作戦建てに使うも良しです。どうぞお楽しみください!
今回のレポートはF様。車はS660です。
Fさんは5月からアドバンスド講習を継続的に受講し、
走行会以外の日も積極的に走り込み、着実に実力を上げてきています。
自己評価は前回までは初心者+(走行には慣れてきたが、まだ周りよりも遅い)でしたが、今回は中級者。
自己評価を上げたからには、そこに見合う走りを追求したいですね!
全力サポートします!
過去の自己ベストは51.2秒。
タイヤはDL DIREZZA ZIIIです。
①レッスン要約
着目① 最終コーナーA/B/A実験
最終コーナーの攻め方にフォーカスして振り返ります。
最終コーナーはホームストレートの車速を決める重要なコーナーです。
ここがスムーズに走れるかどうかがラップタイムにも表れてきます。
今回はこの最終コーナーを、図のような青ラインと赤ラインでどちらがより早く走れるかの実験を行いました。
パイロンで蓋がされていたので、 パイロンギリギリまで使ったアウトからアプローチするか、
定常円の縁石終端から最終入り口のアウト側縁石までを直線的に走るかの比較です。
赤はちょっと極端に誇張して書いてますが、
ややクリップを奥に取った普通のアウトインアウトです。
データロガーで検証できると良いのですが、
お持ちではなかったのでストレートでの2速から3速にシフトアップするタイミングを見て車速の乗りを確認することにしました。
こういう検証を行うためには、ある程度走行に再現性がなければ
そもそもがばらついてしまって成立しません。
まずは基本的な走りが身に付いていることが重要です。
実験結果は面白いような面白くないような・・・?
どちらかと言うと赤ラインの方が安定してストレートの車速が乗っており、
走りのリズムも良かったというものでした。
青ラインは確かにライン上は大きくアプローチできるのですが、
壁や未舗装部分が迫ってくるようなラインのため心理的に攻められず、
アクセルが緩んでいました。
ラップタイムと照合しても、
青ラインの効果は見いだせず。
この実験で面白いのは走りは視覚にも支配されるということですね。
どれだけ理屈上で効果があるはずのラインでも、
ドライバーが恐怖心や躊躇をもつ走行ラインでは結果安定しないということです。
ちなみにこのレッスン中僕は助手席でひたすら青ラインを通ったのか赤ラインを通ったのかであるとか、
走行ミスやトラフィックの有無をメモしながら乗っていたのですが、
流石に気持ち悪くなりました。(笑)
こういった実験によって何が正解で何が不正解かをあぶりだしていく作業は地味ですが大事なことで、
ここを適当にやってしまうといつまでも走行ラインに迷いが残って試行錯誤が終わらないということになります。
迷いや興味がある場合はその箇所だけを変えてみて、
何が正解かを判断すると良いですね。
着目② ウォームアップ走行
もう一つフォーカスしたいのはウォームアップです。
これは当日に直接送ったコメントとは違い、
後日僕が分析した内容なのですがFさんはこのままいくと
タイヤが温まり切る前にアタックを開始するような走り方を無意識にしてしまうような気がします。
そう感じたのは計測2周目のフェニックスコーナーのアンダーステアで、
これは偶然ミスったとかではなく、多分タイヤが温まり切っていなかったのではないかと思うんです。
(というのはターンインまではツッコミどころを感じなかったからです。)
タイヤが温まり切る前に攻めてミスを犯してしまうと、
車の本来の性能を見誤ることになってしまいます。
例えばこのフェニックスコーナーで言うと、
タイヤさえ温まっていればさっきの操作で良かったのにもかかわらず、
そこでアンダーを出してしまったがゆえに次のラップからは操作を抑えめにしてしまう可能性があります。
フェニックスコーナーのことは忘れて例えばある別のサーキットであるコーナーでオーバーステアが出た!というのも、
タイヤが温まり切っていないのにオーバーステアが出たというのであればそれは操作の問題ではなくウォームアップの問題です。
夏場であれば1周走ればそこそこ食ってくれたタイヤも、
秋冬と冷えてくると1周では温まり切らなくなってきます。
2周くらいは積極的に直線部での加減速を行って、
きちんとタイヤやブレーキを温めるようにすると、
今後路温が低い季節になった時に、Fさんの本来の実力がよりきちんと発揮できるはずですから意識してみると良いと思います!
こんな感じのレッスンでした。
今年の春ごろと比べて格段に上達したFさんですが、
ここで次のレベルを目指したお話をプレゼントさせていただきたいと思います。
頭打ちにならないためにはここからの取り組み方が大切です。
技術の習熟と言うのは最初は大きくジャンプアップしやすいものですが、
あるところで必ず"停滞する期間"がやってきます。
その停滞する期間を上手に抜けていけるといよいよ"上級者ゾーン"がそこにあるのですが、そこまでの道のりははっきり言って"地味"です。
やるべきことを疎かにせず、着実に操縦の精度を上げて、
取り組みそのものを楽しむべし、なんですね。
停滞期間って、精度アップ待ち期間なんです。
精度を上げないとこれ以上先に進めないよというゾーンに居るから停滞するのですが、
伸び悩む人は初心者から中級者になった時のイメージで分かりやすい成果を期待して、
その成果が出ないとスランプだとか、車の仕様の限界だとか言い始めます。(笑)
ここからの取り組み方は結構"地味"なんだと知っておくことと、
自分の操作の中にあらゆる雑さを見つけて丁寧に研ぎ澄ましていくことに拘っていけば、
Fさんの真面目な取り組み方であれば着実に上級者ゾーンに近づいていくと思います。
ちなみにあらゆる雑さと言うのはサーキットでの運転中の話だけではなくて、
一般道の運転であったりとか、サーキットでも走行前後のルーティンであったりとか、そういう部分も含みます。
上達してきたFさんにはこんな話も面白いのではないかと思って、
つらつらと書いてみました。
かくいう僕も、こんなことを言葉にして眺めてみると、
「うーん、最近雑かも・・・?」なんて自己研鑽モードに入るわけですけど。(笑)
以上、Fさんへのレッスンレポートでした。
また遊びに来てくださいね!
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以上です。

コメントをお書きください
Fことブルベ番長(みんカラネーム) (土曜日, 13 11月 2021 21:15)
今回もありがとうございました。
またサーキット走行車内でメモを取らせるという、考えるとかなり無茶なことをさせてしまい申し訳ありません(笑)
PDFも当日相談した内容が手書きであることで、逆にリアルに思い起こすことができました。(フィードバックが早いのも良いですね)
ウォームアップでのご指摘通り、今回はアドバンスドA同乗の他にもコペンオーナー様とも互い同乗をしましたが、そこでも痛感したのが、ハンドルやシート、ペダルを通じて伝わってくるクルマ状態の把握力が自分は低い(鈍い)ということです。
当面はタイムそのものや機材投資ではなく、自身の精度、感度を上げること、またセッティングによる違い(空気圧や車高、キャンバー角など)を色々試して楽しんで行きたいと思います。
余談ですが、本日イベントがありロードバイクでスズカサーキットを走ってきました。自転車でスズカを走る場合、クルマとは逆走となりますが(長い下りホームストレートから1コーナーで自転車だと接触事故になりやすい)、やはりクルマでもいつか走ってみたいと思いを新たにした次第です。
SHIFT UP 村上 (月曜日, 15 11月 2021 06:19)
今回もありがとうございました!
メモ対応はこれが最初で最後かもしれません(笑)
コペンのKさんとの同乗は収穫があったようですね。
引き続き、腕磨きを楽しんでくださいね!
アマチュアのモータースポーツは「遊び」ですから、
あくまで"楽しんで"取り組んでください。
鈴鹿サーキットは足を踏み入れるだけで気持ちが引き締まるというか、
憧れと言う感情を掻き立てられる場所ですよね。
是非一度走ってみてください。
ただし事故したときのリスクが高いですし、美浜サーキットの感覚で走ると危険な場面もありますから、
慣れるまでは電子制御に守ってもらいながら楽しまれることをおすすめします。
シミュレータでの練習も有効ですよ!