11/6のアドバンスド講習の個別レポートをお送りします。
アドバンスド講習は「SHIFT UPカルテ」と題して、
受講して頂いた方ごとに振り返り用のレッスンレポートをお送りしています。
ご自身のカテゴリを遡って成長履歴を見るもよし、
次回の走行の作戦建てに使うも良しです。どうぞお楽しみください!
今回のレポートはO様。車はZN6型86です。
Oさんはこの日初めてアドバンスド講習を受講して下さいました。
ありがとうございます!
自己評価は中級者(車なりに標準的なラップタイムで走れる)。
過去の自己ベストは49.030秒とのことです。
機械式LSDとファイナル変更を行い、タイヤ235幅化とのことです。
サーキット走行経験は2年ほど。
美浜の他にもいくつかのサーキット走行を経験しているとのことです。
①レッスン要約
着目① 美浜ライン
美浜サーキットの走行ラインと言うのはちょっと独特だと思います。
それはどんなところかと言うと、
ライン取りのセオリーである「アウトインアウト」があまり意味をなさないというところです。
例えば1コーナー、進入でアウト一杯を使わないほうが速いことが多いです。
1ヘア。
進入でアウトに振ってもそこから先が加速区間ではないため、
ボトムスピードが必ずしも生きてきません。
フェニックスもアウトから大きく進入するのではなくて、
窮屈でない程度に早急にインに張り付きます。
定常円も距離重視。アウトインアウトにすると如実にタイムは遅くなります。
と言う感じで、スポーツ走行のセオリーと言うよりも、
美浜サーキット走行のセオリーとうものが存在していてそこに則ると速いよ、
というレイアウトです。
スポーツ走行のトレーニングをするにあたって、
このサーキットでどう走るかは一つポイントで、
スポーツ走行のセオリーを身に付けるのか、美浜のセオリーを身に付けるのかの選択を迫られるということを念頭に置くと良いと思います。
言ってしまえば、美浜サーキットで速くてもその速さは例えば鈴鹿であったり富士であったりには持って行けないということです。
#そもそもミニサーキットと国際サーキットでは必要なスキルが違うよと言うツッコミは承知
どこでも使える汎用的なテクニックを身に着けたいのであれば、
タイムは一度割り切って二の次にして、まずは腕磨きを行い、
スポーツ走行の"型"がきちんと身に付いた後で"型破り"をすると"上手さの伴った速さ"と言うか、"上手さに基づいた速さ"が得られると思います。
型を知らないで型を破ろうとしてもそれは"型破り"ではなく"デタラメ"だと僕は思うのです。
ただ今回のOさんの場合はもうすぐ86を手放してしまうという時間の制約があったので、
この86でリザルトを残したいんだという気持ちを優先して美浜の速さをとる講習をしました。
#僕ももうすぐ愛車チェンジなので、気持ちめっちゃ分かります(笑)
#なんなら僕も走り始めて経験が浅いころはまずはラップタイムでした。
ただせっかくSHIFT UPのレッスンとの縁があったので忘れないで欲しいのは、
究極のベストラップは基本操作の磨き上げの先にしかないということ。
同じラインを走ったとしても基本が出来ている人とそうでない人とでは
全然違うラップタイムが出るんです。
ライン取りを同じにしても減速、旋回、加速のすべての箇所で差が出来てしまう。
だからSHIFT UPの講習は普段はライン取りと言ってもどちらかと言うと
そのラインを最大限の効率でトレースするためのブレーキングであるとか、ステアリング操作であるとか、アクセルの開け方であるとかそういう面の磨き上げが先。
誤解を避けたいので今回のレッスンがダメという話ではなくて、
"真の変態向けメニュー"はこっちだという話です。(笑)
一見、「美浜ライン!」とかのほうが狭そうでマニアックなにおいを漂わせるのですが、
極めて行こうとすると「美浜ライン」は表面上の話であって、実はマニアックな話とは真逆に居るんですよね。
目標の48秒を達成した暁には"グランドメニュー"の方でお待ちしています!(笑)
着目② ブレーキングとステアリングの連動
着目①で終わるとOさんには"季節限定メニュー"で終わったのかと思わせそうですが、実はきちんと基本操作部分も見ています。
具体的に言及したのはブレーキング~ターンインまでの走らせ方。
コーナーへの進入でブレーキングに寄ってフロントタイヤの荷重が増すのですが、
その荷重を活用せずにブレーキを離してしまうというか、
ブレーキングとステアリングと連動していないためフロントタイヤのキャパシティを使い切れていません。
特に感じたのは1コーナーで、
ここはフロントがグイグイ入っていくような手応えを感じながらクルマを曲げたいのですが、
Oさんのドライビングの場合、フロントタイヤの感触がどうにも"サボっている感じ"なんです。
連動させるコツは頭の中でステアリングとブレーキペダルが明確に連動している姿を思い描き、
そのイメージも頼りにして操作を身に沁み込ませていくのですが、
この時オススメなのは「ステアリングとブレーキが紐で繋がっているイメージ」です。
分かりやすく言うと、
ステアリングを切っていくときに、
ブレーキぺダルがステアリングによって引っ張られ、戻されてしまう
というイメージ。
#別の表現も引用すると「名残惜しそうにリリースする」なんていう言い回しも。
走行後のフィードバックレッスンでも駐車場で実演を行いました。
前荷重を残したくない高速コーナーだったりするとまた違うのですが、
美浜サーキットに高速コーナーに進入するブレーキングポイントはありませんから、
フェニックスへのアプローチ以外すべてこのテクニックで進入します。
そうすると、この技術が生きてくると例えば同じ走行ラインを通そうとしたときに旋回時間が短くなって結果タイムが詰まっていくんです。
これはコーナーでクリッピングポイントに対してブレーキが間に合わずオーバーランした時にも有効で、
走行ラインがラップタイムの肝になっているとラインを外したらそれで終了なのですが、
この技術をきちんと持っていると狙っていたクリッピングを瞬時に諦め、
その奥に仮想のクリッピングポイントを置きなおしてリカバリするということができるようになります。
技術は自分のミスに対してタイムを鈍感にしていくと言えるかもしれません。
人間は必ずミスをするものですから、
その時の影響を最小限にするということを積み重ねていくとラップタイムのアベレージが上がり、安定した速さが身に付いていく。
その上で「実は美浜ラインと言うのがあってですね・・・」と言う感じで
コース特有のコツを採り入れると、割と瞬時に効果が表れるんですよね。
当日は僕も即効性ならライン取り矯正か?と思ったのですが、
こうして冷静に書いて見るとどっちが早いんだろう・・・?と思ってしまいますね。
Oさん自身は同じく今振り返るとどうでしょうか?
こんな感じのレッスンでした。
なんだかお説教ジジイみたいになってしまいましたが、、、(笑)
基本的にはドライビングもその練習も車に乗っている時間が充実することが大事。
趣味のスポーツ走行は好みや思想の差はあれ正解は本人次第。
"反省"みたいなものは必要なく、
次はどうしようかな?の選択肢になっていればいいと思っています。
どんな道を経由しようが求めた結果にたどり着けば正解で、
"求めた結果"に対して迷走せずに案内するのがレッスンであるとすると、
「現場ではライン取りチェックをしたけど、思考の整理でこういうレポートをお届けする」というのはこれもこれで好バランスなのかも?
と思ったりもします。
SHIFT UPが提供している内容が意外とフランクな雰囲気の割に深いので、
そういう意外性(?)も楽しんでもらえればと思います。
以上、Oさんへのレッスンレポートでした。
アドバンスド講習は一回完結ではなく、フィードバックを繰り返して一緒に試行錯誤していくレッスンです。
また今後も是非遊びに来てくださいね!

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