12/4のアドバンスド講習の個別レポートをお送りします。
アドバンスド講習は、受講生ひとりひとりに対して個別にレポートを書いて提供します。
この個別レポートで振り返りができたり、次回走るときに再度思い出せたりするようになっています。
ご自身のカテゴリを遡って成長履歴を見るもよし、
次回の走行の作戦建てに使うも良しです。どうぞお楽しみください!
今回のレポートはT様。車はラパンSSです。
車重800kgの0.66L 64ps、MT車。駆動方式はFF。
タイヤは前後にDIREZZA ZIII(165/55R14)を装着。
この日が初のサーキット走行だというTさんですが、
クルマには4点式シートベルトも装着し、サーキットを楽しむ準備万端ですね。
タイヤのチョイスもZIIIと、ハイグリップタイヤの中では練習向きで良いと思います。
今更カルテを見返すとブレーキパッドはZBP HS4H(ハイスチール材に近いスペックのロースチール材パッド)ということですが、
このクルマのパワー・車重だったらもう少し効きが穏やかなパッドでも良いかもしれませんね。
不必要に強いパッドを使うとブレーキが扱いにくくなってしまいますから、
当日はアドバイスを送れませんでしたが、もしブレーキがいわゆる「カックン」気味になっているなど感じたらパッドを弱めてみてください。
ZBPならHS3か、HS2くらいまで弱めても大丈夫じゃないかなと思います。
①レッスン要約
着目① 譲ってないのにインを刺される
この日が初サーキットだったTさん、
全体的に落ち着いて、なかなか勢いも良く走行できていたと思うのですが
一回だけ危険な場面がありましたので振り返っておきます。
こんなネタから書くと、Tさんの走りが危なかったような印象を持つかもしれませんがそんなことはなく、
どちらかというとスムーズに落ち着いて運転できていたのですが、
起こった出来事が誰にでも起こり得て、危険度が高いものだったので
きちんと振り返ろうという意図です。
#Tさん以外の参考にもなると思います
危ない場面が起こったのはこの定常円へのアプローチ。
コースイン一週目で、まだ全車がゆっくり走行している場面です。
何が起こったかというと、、、
Tさんはアウトインアウトのつもりで、赤色ラインを走行しようとしたのですが、
すぐ後ろを走っていた車が青ラインでインに入ろうとしてきたのです。
Tさんは進路を譲る意思も持っておらず、その意思表示であるウインカーも出していません。
危うく、コースイン直後に接触事故が起こるところでした。
これはまず「フリー走行でそんな抜き方したら事故るよ・・・」と後ろの車に言いたくなるところなのですが、
Tさんの走行にも"紛らわしいところ"がありました。
それは"大きくアウトに振ったこと"です。
いやいや、アウトインアウトのつもりなんだからアウトに振るでしょ?
という考えはその通りなのですが、
このコーナーは通常そこまで激しくアウトインアウトせず、インに飛び込んでいくライン取りがセオリーなのです。
後ろの車の目線だと"前の車は走行ラインから外れて、しかもゆっくり走っている"なんですよね。
つまり、"譲ってもらえた"と思いこんだわけです。
インに入ってくる動きを見て速度を落とした後続車と、
インに車が入ってこようとしていることを僕が伝えたことで最悪の事態は起きませんでしたが、
こういう思い込み事故やその未遂というのは結構あるんです。
#特に走り慣れていない人が多くなりがちな、初心者クラスの方がよく起こります
こういうことを防ぐためには、次の2つのことを知っておきましょう。
①自分が後続車側になった時、譲ってくれる意思表示をしていない車は抜きに行かない。
②自分がインを空けてコーナーにアプローチしているときは、インに後続車が飛び込んでくるかもしれないと想像する。
①は、前の車は自分の車を見ていない、考えていないということです。
そういうクルマは無理に抜くとリスクが高い。
サーキットでの事故は原因がどちらにあっても「お互い様」です。
無理に抜きに行って、当てられたらやられ損ですね。(苦笑)
②はコーナーにアプローチする前に、サイドミラーとルームミラーとで後続車が居ないかを絶え間なく見続けておくことです。
後に誰も居なければ自分の好きなラインで走ればOK。
もし近くに他の車が居て、
自分がその周でラインを譲る意思がないならば、その意思表示としてインは締めましょう。
「本当はアウトインアウトで走りたい」とかは関係なく、
ややこしいことをすると危ないのです。
ちなみにこれは全然、Tさんへのお説教ではないので、
「そりゃそうだよね!」と思って読んでいただければOKですよ。(笑)
というか、初サーキットである意味"おいしい経験"が出来たと思います。
今回経験していなかったら、一人で運転しているときにこの場面に出くわしていたかもしれませんからね。
とにかく、周りをよく見て事故には気を付けましょう!
着目② スローインファストアウト
この日が初めてのサーキット走行だというTさん。
横から見ていて「初走行で、結構果敢に攻めるなぁ」と好印象だったのですが、
クルマがある特徴を持っているので当日の事故防止のために一つアドバイスを送りました。
それは何かというと、サブタイトルの「スローインファストアウト」です。
TさんのラパンSSが持っている特徴としては、
どちらかというと背が高く、タイヤのグリップが高いということで、
「横転しやすい」という特徴です。
コーナリングスピードを高くしていくと、耐えられる横Gの限界は低い。
限界を把握して走っているならば全然走れるクルマなのですが、
限界が分かっていないと意図せず攻めすぎてしまうリスクがあります。
特に美浜サーキットは1コーナーとBSEの縁石が高く、
軽自動車が高い縁石を使ってコーナリングした結果横転するという事故が実際に起こっています。
よってきちんと自分で自分の車のポテンシャルが分かる前に
無茶な運転をする癖をつけないほうが良いと考えて送ったアドバイスが
スローインファストアウトです。
#スローインファストアウトで走ろうと考えれば、
自然と旋回速度を上げ過ぎないようになりますよね。.
ちなみにこのスローインファストアウト、初心者というよりもどちらかというと初心者~中級者くらいの層に良く教えているキーワードです。
それはなぜかというと、コーナーに勢い良く突っ込み過ぎて、
フロントタイヤがキャパシティを超過し、
全然食ってない状態でターンインのアプローチをする姿、、、
つまり、それがアンダーステアなのだと意識することなく強いアンダーステアを出しながら走っている姿が珍しくないからです。
コーナーに勢い良く飛び込めば飛び込むほどタイムが縮まったという一時の経験から、
とにかく飛び込むのが正解だと思い込んでしまって染み付くわけですね。
コーナーに早く飛び込めばタイムが縮むのはある一定のところまでで、
最終的には飛び込みよりも脱出が早くないと走りは頭打ちになっていきます。
"突っ込み過ぎ"が身に付いてしまう前に、
「スローインファストアウト」という考え方が自分の中に確立すると良いと思います。
ラップタイムはコーナーへの飛び込みばかりではなく、
特に長い加速区間に続くようなコーナーにおいては脱出速度で削り取るのです。
#ちなみに"突っ込まなさ過ぎ"もロスなので、最適解探しはどんなレベルになっても永遠のテーマです
以上、Tさんへのレッスンレポートでした。
アドバンスド講習は一回完結ではなく、
フィードバックを繰り返して一緒に試行錯誤していくレッスンです。
初心者のうちは自分で試行錯誤するも良し、
人に聞いて学んで、上達スピードを上げるも良しですが、
SHIFT UPのレッスンは常に今の実力に合った最適な課題を提案し、
各レベルでの練習が楽しく充実したものになるように内容を設計しています。
個人的には、「安全に走れるようになる」が身に付いたTさんにテクニック磨きも提供したいなぁと思っています。
また今後も是非遊びに来てくださいね!
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以上です。

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