前回のブログの続きはまだ練っているところですので、
今日は純粋にドライビングの話をお届けします。
僕は「ラップタイムがすべてではない」とよく言うのですが、
「ラップタイムがどうでも良いわけでもない」とも思っています。
今日は僕が考える「ラップタイム」についての徒然を投稿します。
SHIFT UPのレッスンを提供している美浜サーキットを例に考えてみましょう。
例えば86に乗っていて、ノーマルで48秒出る人が「タイムはどうでも良いよね」と言うのと、
あれこれチューニングして53秒くらいの人が「タイムはどうでも良いよね」は別物です。
この2者の違いは、その車両で出せるはずのラップタイムが出ているかどうかです。
前者は車なりのラップタイムが十分に出ていると思います。
よって、「強烈にグリップするタイヤを買えば、45秒くらい出そうだけど
本質的な楽しみは48秒でも45秒でも変わらないよね」という意味で「タイムはどうでも良いよね」と言っています。
後者は車なりのラップタイムがまだきちんと出ていません。
このレベルの場合は、まだ「ラップタイムはどうでも良い」と言わないほうが良いと思います。
「ラップタイムはどうでも良いよね」という言葉が良い意味になるのは、
"それなりの境地"に到達してからなんです。
"それなりの境地"ではちょっと曖昧ですから、もう少しきちんと書くと
「車の性能を十分に発揮させられるテクニックがある」
という言い方になります。
スポーツドライビングの面白さはどこにあるかと言うと、
何度か書いているように"ゾーン"に入った状態でのドライビング体験だと
僕は考えています。
この"ゾーン"に入った状態というのを実現するには、
当然一定以上のドライビング技術が必要なんですよね。
それは「意のままの走行ラインをトレースする技術」だったり、
「意のままの車速コントロールをする技術」だったり、
「姿勢をコントロールする技術だったり」と様々です。
それらが十分に習熟していない状態では、
おっかなびっくりの世界でしかスポーツドライビングを味わえません。
クルマを限界で振り回しても怖くないから純粋に夢中になることが出来、
楽しめるわけです。
上級ドライバーの方は頷いて下さると思いますが、
スポーツドライビングというのはスリルとの戦いではありません。
「こんなスピードでコーナーを曲がったらどんなことになっちゃうんだろう」「ここまでブレーキを詰めたら止まれるだろうか?」ではないんですよね。
スポーツドライビングは「正確な予測」と「確かな手応え」の中でのコントロールなんです。
これが出来て初めて真の面白さを感じるところであり、
逆にこれが出来ればまさに「タイムはどうでも良くなってくる」のです。
ではその技術をどう身に着けるかなんですが、
これはやはり「出来ているかどうかを自分で正しく認識する」ところが必要になってきます。
手応えと言うのは自分自身でしか分かりませんから、
その手応えが目指しているものなのかどうかを測る客観的な指標が必要ですね。
その客観的な指標が「ラップタイム」です。
ラップタイムと言うのは正直で、
テクニックがあればクルマの性能なりのラップタイムが安定して出ます。
テクニックが未熟なうちは、クルマの性能に対してラップタイムは冴えません。
車種やチューニング内容が違えば出せるタイムは違って当たり前ですから、
そこを無差別で比べて勝敗に一喜一憂する、、、なんてことはしなくてもいいのですが、
同じような車種、同じようなチューニング内容の車と比べて自分の技術レベルをラップタイムという手段で測ってみるというのは有効です。
是非やったほうが良い。
それでもしその車種、そのチューニングレベルの中での相場に対してラップタイムが平均以下であれば
「ラップタイムを0.1秒でも削りたい」という思いで試行錯誤を重ねながら走ったほうが良いです。
「試行錯誤」が本当に大事で、ただ漫然と走りまくるだけではダメ。
何が正解で、何が不正解かをきちんと判断しながら不正解を捨てていくのです。
ドライビングはただ場数を踏むだけでは上達せず、
試行錯誤により正解を見つけていくことで上達するからです。
そしてその上達の先にしか、「タイムはどうでも良いよね」はありません。
「上手くなるために練習しまくるの、お金も時間もかかって大変だし、
もうこのレベルで良いよね」と言うネガティブな意味での
「タイムはどうでも良い」はありますけどね。(苦笑)
これ以上書くと余計なお世話だと言われてしまいそうですが、
「手に入れることが難しいものを手に入れない理由を自分で作って納得してしまう」という"酸っぱい葡萄の話"みたいな考え方は、
趣味の世界ではあんまりやらないほうが良い。
趣味の世界は自分の周りに同じレベルの仲間が集まり、
志を同じくする人との交流で楽しさが増していくものです。
適当にやる人の周りに真剣な人は集まりません。
真剣な人が周りに居てくれないと、次第に飽きるのです。
「まぁ自分は適当でいいから」みたいな言葉も封印です。
それが口癖になったころに、その言葉通りに飽きるようになっていますからね。(笑)
もし何か自分が抱えている制約に悩むのであれば、目標レベルを下げるのではなくて、目標到達ペースを下げると良いんです。
到達ペースを下げれば時間コストも、金銭的コストも分散しますからね。
目標を高く掲げて、長く続けましょう。
何の話でしたっけ。(笑)
ああ、ラップタイムは「目指すドライビングが出来ているかどうかを自分で正しく認識する」ために、まずは真剣に向き合うと良いという話でした。
「ラップタイムはどうでも良い」というディープな世界への経由地点と考えると良いですね。

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