この前の日曜日、スペシャルコンテンツとして告知させていただいた
マークXの体験試乗企画に早速お客様が来てくださいました。
今日はそのレポートを簡単にお届けします。
何というか、まだチューニング業界一般的には存在しない、
新しい車遊びの姿であるように思えます。
「こんなコンテンツを届けられるのは今はまだ僕らだけです!」
と言う感じです。(笑)
#"今は"
参加頂いた方(K様)は非常に満足されていました。
その様子を少しだけ紹介します。
Kさんの愛車は僕と同じGRX133マークX。
何となく僕と趣味が通じる感じのエクステリアで格好良い仕様です。
どんな人がこの試乗企画に参加して下さるのか?と考えていましたが、
お一人目はマークXにお乗りの方でした。
やはり、マークXやIS,RCあたりに乗っている人が最も刺激の多い体験をされることは間違いないと思います。
#もちろん、車種問わずどんな車でも十二分に楽しめます。
この日は13時くらいにデッキさんにお越しいただいたのですが、
試乗会はこんな感じで進んでいきます。
①誓約書記入。
(免許持参してます、任意保険入ってます、飲酒運転しません、マナー良く運転します的な内容)
②参加料金(15000円)を頂く
③試乗コースの説明と車両説明
#ちなみに15000円は僕の希望で、全額デッキさんの売上にしました。
#コロナ禍のチューニング業界応援
その後とにかく乗って味わって頂こうという感じで、早速試乗に出ます。
コースは色々と考えて、30分程度と告知していましたが40~50分程度行いました。
最初はワインディングだけのつもりだったんですが、
「路面に吸い付くようなメカニカルグリップを体験していただきたいな~」なんて考えたら高速道路を走ってみてほしくて、
そうすると30分では収まらなかったからです。
試乗はワインディングだけでも十分成り立つのですが、
「少しでもチューニングの世界観を味わってもらいたい、楽しんでほしい」
という狙いに対して、ここは惜しげなく。
(走行中の写真はないため、別日のものを流用)
試乗はまずワインディングを走りながら、
マークXのチューニングコンセプトの解説や挙動解説をしていきます。
脚周りのコンセプトや、それによる乗り味の作り方、
運動性能の体感、、、
一つ一つ解説しながら走りを味わっていただきました。
DECKマークXの見どころと言えば、
やはり"マークXのイメージ"を覆す抜群の運動性能ですが、
その運動性能の作り方について、例えばこんな話をしました。
良くある脚の弄り方だと、まずは柔らかめのバネから初めて、
ドライバーが様子を見ながら許容限度になるまでバネを硬くしていく
ということが多いと思うんですが、僕がやったのは全く違うアプローチ。
まずは運動性能を確保できるレートのばねを投入し、
そのレートのばねにどのような減衰特性を与えれば
普段使いできる乗り味になるか?というアプローチで乗り味を作っていきます。
マークX用の一般的な車高調だと、
フロント7k、リヤ6kとか、フロント14k、リヤ10kとか
そんな感じのスペックです。
僕がデッキで脚周りを弄り始めた時に最初に投入したのは
フロント18k、リヤ18k。
最初の一歩目の時点でレートも前後バランスも市販品と別物なんです。
市販のショックアブソーバーにこれだけ高いレートのバネを入れると
普通は減衰力が足りずに跳ねますが、
18kのバネを受け止めるために必要な減衰力は、、、というアプローチでショックアブソーバーのスペックを決めて、
一般道を走らせてもゴツゴツしたり跳ねたりせずに上質に走るように狙います。
鈴鹿を実際に走らせると、まだもう少しレートが欲しいということと、
一般道でかなり快適(欧州車の純正レベル)だったため、
「もう少し攻めても良いか」ということでバネを前後22kに変更し、
それに合わせて減衰力を再度変更。
変更と言うのはダイヤルを回すのではなくて、
根本的にピストンバルブやシムといった中身を別の仕様に変更します。
またその減衰力も「強い」とか「弱い」とかではなくて、
ダンパーの各速度域でどのくらいの減衰力を出すか?というのを
ディスカッションしながら作り上げてきました。
この22k仕様がHot Versionに出た状態の脚周りです。
(スタートからここまでにかかった時間はわずか3年半弱です。)
そこからさらに、本当にこだわりの域でもうひと手間かけ、
一般道での突き上げをキレイにいなすように、
バネレートは据え置きで減衰力特性をマイナーチェンジした、
いわば"22k仕様改"が今の状態。
運動性能は保ちつつ、乗り味はどうかと言うと・・・
「オンザレール感覚で、全く不安なく思った通りに曲がれる」
「挙動に落ち着きがあって、安心感がある」
「乗り心地が良い。言われなかったら22kだなんて分からない」
というKさんのコメント。
デッキマークXはドライバーを裏切る挙動を一切見せず、
そして乗り心地は"普通"です。
”オンザレール”というのはもっとかみ砕いて言うと、
フロントがステアリングを切った通りにグイグイとイン側に入っていき、
リヤはリヤで絶対に路面を離さない。
ということです。
大きく舵を切ることが全く怖くないし、
過剰に曲がったりもしないので修正舵も要らない。
そしてブレーキを踏んでみると、
ブレーキもドライバーの意のままでペダル踏力が逃げずに本当に踏力通りに車が止まります。
剛性の高いキャリパー、ホース、食いつかずにじわっとローターを掴み始めるパッド。
制動時の姿勢を決めているのはブレーキの前後バランスと、
実はサスとショックの特性も寄与しています。
逆に、制動時の姿勢を念頭に置いて、前後のブレーキバランスを考えるということもポイントです。
ここに2GRエンジンの318馬力のパワーが加わると、
走る、曲がる、止まるのすべてが意のままになる、
トータルとして特性の辻褄が合い、高次元に整った車になります。
だからDECKマークXは何をどうやっても、
「車を走らせる面白さ」が溢れているんです。
試乗は高速道路に場所を変えます。
高速道路は1区間だけですが、
抜群のフラットライド感を味わえます。
空力で抑え込んでいるわけではないのですが、
道路に吸い付くような感覚を覚えます。
このフィーリングが鈴鹿サーキットや富士スピードウェイで
攻め込める理由であり、挙動が常に収まっているというのが
トラクション性能に繋がり、ドライバーが何もしなくても自然にタイムが出るんです。
こんな感じで50分弱、DECKマークXを満喫していただきました。
あくまで一般道で快適にドライブができて、
サーキットを走らせてもドライバーが怖い思いをすることもなく、
怖くないから安定して速いし事故しない。
そんな懐の深い車を作ろうと思うと、
チューニングには「カタログを見てパーツを選ぶ」のではなく
「ゴールから逆算してスペックを固めていく」という技術が必要になります。
それを徹底的にやり切っているのがDECKマークXなのです。
このアプローチは自動車の開発と全く同じです。
#本職は自動車開発やってます
試乗後はデッキに戻ってきて、デッキ社長も交えて質問大会。
もちろん、マークXに限らずあらゆる車を前提にして好きなことを思う存分に訊けます。
Kさんに対しては、まずは実際にマークXに使っているパーツの構造や、
その特性について教養としての解説を行いました。
例えばショックアブソーバーの中身の話。
一般的な調整式ショックアブソーバーの減衰調整の仕組みとその弱点だったり、
その弱点が乗り味にどのように影響してしまうのかと言う話を解説。
パーツを実際に目にしながら、そのメカニズムを理解できるまで繰り返し聞けるというのは「作り手」を相手にしないとなかなかできない経験です。
そのメカニズムと構造から、どういう製品が良い製品で、
どういう製品はイマイチなのかという話もしました。
デッキ社長の中山さんは、
本当に良いものに対してしか良いとは言わないし、
商売的に物を勧めたりしないため、「事実」をきちんと教えてくれます。
実際に話を聞いたKさんが一番わかると思いますが、
その「事実」はデッキさんの製品のセールストークではなくて、
純技術的な話で、「知る面白さ」に溢れています。
他にはトラクション性能とラップタイムの話だったり、
ブレーキのタッチの話だったり、ローターのベンチレーションの方向の話だったり、、、
量販カー用品店や車のSNSでは絶対聞けない話がてんこ盛りでした。
こういう話を知ると、モノを選ぶときの判断材料にもなってきますよね。
話の他にはデッキ内のショック組み立て現場だったり、
パーツ加工する現場だったりを見学して頂いたり、
入庫している車を題材に質疑応答をしたり。
とにかく、時間いっぱい質問攻めでした。
僕は客観的に、今回このコンテンツを提供する側としてKさんとデッキさんとの会話を聞いていたのですが、
「知りたいことを訊ける環境があるって凄く良いことだな~」と感じました。
今はネットで色んな情報が手に入りますが、
その真偽や精度ははっきり言って不明です。
無償で手に入る情報ってどうしてもいい加減なので、
責任をもって喋ってくれる、正しく知れる、根拠をもって知れるというのは
大きな価値がありますね。
最後に記念写真を載せてこのレポートブログは終わりますが、
最後にちょっと裏話。
実はこういう技術やノウハウの話は、デッキの常連さんだと殆ど全員が普段から雑談的に行います。
つまり、これまではパーツを買った人の特権だったんです。
多分どこのチューニングショップもそうなんじゃないかなと思います。
しかし、
「この話はデッキのパーツを買わない人でも、純粋に知識として面白い」
「"この話だけを聴きたい人"は確実に居る」
と思った僕はデッキさんに提案し、
今回有料でコンテンツにしてみるという実験をやろうということにしたんです。
例えば、これが個人のチューニングショップなのでイメージが沸きづらいとしたら、
「SUPER GTで車を走らせている有名エンジニアが、
1時間10000円であなたのためだけに話を聞いてくれる。質問もし放題。」
とイメージしてみてください。これはそういう世界観の体験型コンテンツです。
#相手の時間に対して対価を払っている分、堂々と遠慮なく聴けちゃうのが素敵
個人店のチューニングショップに足を運ぶのって結構敷居が高いと思うのですが、
こういうコンテンツにすることで敷居が下がれば
100万円近いブレーキを買ったり、予算ASKなワンオフをやったりする気がなくても「体験代」という名目だけで脚を運べるようになります。
この体験試乗は今のところ2021年末で終わる期間限定ものです。
参加を悩んでいる方は、是非この実験に参加してください。
このコンテンツに向いていない人は料金を見た時点で来ないと思いますが、
「悩んだ人」はこのコンテンツの対象ど真ん中です。
必ずと言っていいほど刺さりますよ。(笑)
以上です!

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Kです (水曜日, 22 9月 2021 22:14)
体験試乗に参加させていただいた者です!
この度は、貴重なお時間をいただきありがとうございました。
記事にも書かれている通り、22Kのバネレートとは思えない、街乗りで全く問題のない乗り心地で感動しました。国際サーキットを本気で攻めることが可能でありながら、普段乗りも両立する足回りは本当にすごいと思います。
またAPレーシングのブレーキも、コントロールしやすく懐の深さを実感できました。レーシングブレーキではありますが、街乗りにおいても安心してドライブできました
試乗後はDECK代表より足回り等の解説をしていただいたり、工場見学をさせていただき、DECKマークXについてより理解が深まりました。やはり開発者から直々にお話しを聞けたり、製作の背景を知ることは滅多にないチャンスですので、とても感謝しています。
この体験試乗に興味がある方は、是非参加してほしいですね!
マークXに限らず、車のチューニングでお悩みの方にも、おすすめのコンテンツです。
とても楽しい時間を過ごすことができました。また機会があればよろしくお願いします。
SHIFT UP 村上 (木曜日, 23 9月 2021 07:14)
感想コメントありがとうございます!
こちらこそ、お越しいただきありがとうございました。
大変喜んで頂けて、この企画にトライしてみて良かったです。
わざわざ足を運んで頂き、マークXも喜んでいたと思います。
また機会があればよろしくお願いします。